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2004/08/25

天体望遠鏡には思い出が深い

最初の望遠鏡は、私の育ての父の神主さんが中国に出征
していた時に使っていた双眼鏡である。
ただ、これで天体を観た記憶はない。そういう発想が
幼児にはなかったのだろう。
もっぱら双眼鏡を逆に覗いて、家の中を歩き回って変な
感覚を楽しむ遊びばかりだった。

1969年小学校の3年生の時だったと思う、口径8cmの
シングルレンズと紙筒がセットになったコルキットという
望遠鏡のキットを育ての母の神主さんの奥さんに買っても
らった。当時結構高価なものだったのじゃないかと思う。
もちろんアポロの月着陸に影響を受けていたのだ。

※ちなみにコルキットは形を変えて今も販売されている。
 昔よりずっと良いキットになっていて、値段も手頃
 それでいてきちんと見える良い科学教材である。
 小学校高学年なら問題無く完成させることができる。

オルビィス株式会社のホームページ ORBYS Inc.

シングルレンズの収差を緩和する為に焦点距離は長く、
筒長は1200mmもあった。もちろん手持ちはできないが、
架台がないので、窓の縁に座布団を置いてそこに望遠鏡を
載せて、もっぱら月を見ていた。
小学生には、月ぐらいしか天体は判別できないのだから
しょうがない。なんとかクレーターが見える位の見え味
だったと記憶している。自分で組み立てた望遠鏡だから
それで十分に楽しかった。

もっと本格的な望遠鏡が欲しかったのだが、そんな高価な
ものを買って貰える余裕は我家にはない。私は、それから
ずーっとお年玉と小遣いを使うのを我慢して貯め続けた。

1974年の新年早々中学1年の私は念願の本格的な天体望遠鏡 を購入することができた。お金が少し足りなかったが母が 少し足してくれた。というのは、翌月からのその望遠鏡が 2万円も値上りすることが予告されていたからだ。 2万円貯めるには、1年かかる。 それは、その後名機と言われる高橋製作所の10cm反射 赤道儀Ⅰ型で価格は5万5000円であった。 宅急便なんかない当時、大層な木枠に入ってトラック運送便 で我家に届いた、普通の家にはバールなんてないから開梱が 大変だった。その夜早速に星を観た。 (天文用語でファーストライトと言う) 鏡面の精度はまずまずであった。 この望遠鏡は、その後ずっと使用した。 主に月と惑星を対象とした。星雲、星団はもっと口径が大き くないと十分に見えないからである。 更に優秀な口径の大きな機材を購入するお金を貯めるのは 無理だった。当時の父の月給よりも高価になる。 長く使える良い機材であった。 大学院を修了する直前の冬にハレー彗星の接近があった。 天体望遠鏡は、視野が狭いので彗星の全景は見えない。 コマ部分だけを観た。望遠鏡を覗きながら、春からの社会 人生活に思いを馳せた。 当時はプラザ合意直後で日本は不況であった。2年後から バブルに突入していくのだけども。 勤務先は東京だ。東京へは望遠鏡は持って行けない。 無理して持って行っても大都会じゃ観望場所もない。 それで実家に置いて行った。 その翌々年に自宅のリフォームを開始した父は、邪魔だと 望遠鏡を大工さんにあげてしまった。 私の手元には、取り扱い説明書とアイピース2本、後付け の極軸望遠鏡が残った。取扱説明書無し、アイピース無し の望遠鏡は嫁ぎ先でどうなったろうか。 父は、多分勉強もせずに自分の言う事も聞かずに夜うろ ちょろしたりする息子が面白くなかったということがあった のだろう。もちろん今後実家に帰って来て、また望遠鏡を 使うことはないと判断したのだろうとも思う。 (実は、その後私は関西に戻るのだが) 実際的にはその通りだろう。しかし、私に取っては、思い 出が幾つもある望遠鏡であった。 私は、いつか望遠鏡を購入して天体観望を再開しようと思 った。 その気持が、家を建てることになった時に屋上を作らせ、 自宅完成の3年後に双眼天体望遠鏡を入手させたのである。 口径125mmで特殊なEDガラスのレンズを持つ鏡筒を2本 使う手造りの大型天体双眼鏡は、昔の機材と比べると夢の ようだ。実家では家族は誰も私と一緒に望遠鏡を覗くこと はなかったが、私は自分の家族には時々一緒に覗いて欲し いと思っていた。そしてそう努力している。 妻と今5歳の長男は、月、火星、木星、土星、金星、M31、 M13、M42などを観た。長男も妻も星を観るのは大好きだ。

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