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2004/09/09

散歩 風景と記憶

最近、実家に戻った時に5歳の長男を連れて近所を散歩するのが
かなり楽しかったりする。
私が、産婆さんに取り上げてもらった借家は、今の実家から400m
ほど東にあった。私が5歳の時に父は家を建てて、引っ越した。
その家は、既に解体されて空き地になっている。私が住んでいた当時
既に古い家であった。

その場に立つと私には、昔の家の姿が見える。当時の家族の姿も 見える。次々といろんな事を思い出す。 冷蔵庫は氷を使うものだった。5歳の時、引っ越しを期に電気冷蔵庫 になった。テレビは町内で2番目に買ったんだった。近所の人が時々 見に来ていた。テレビ導入の一番は町内会長さんのお家だった。 私はテレビが家に来た日を覚えている一番若い世代だろう。 鉄腕アトムはある日突然最終回でびっくりした。 七夕の笹竹に付けた小さな提灯にろうそくの火を入れて「綺麗ねぇ」 と言っていたら風で揺れて派手に燃えてしまって驚いた。 日清のインスタント焼そばを良く食べた、なぜか卵とじだった。 チキンラーメンも良く登場していた。やっぱり卵入りだったな。 父も母も、毎晩夕食後ガリ版切りをしていた。生徒に配るプリント 教材作りだ。鉄筆のキーキー言う音が記憶に残る。あの頃の両親は 30代後半、今の私よりも若かったのだ。 東芝の電機洗濯機もあった。胴体にでべそみたいなスイッチが記憶に 残っている。まだまだ普通の家庭には一般的じゃなかったが共働きで 家事の時間が少ないから買ったのだと思う。周囲よりずっと早かった。 当時は星が凄く良く見えた。家の前のこの道は砂利道で、でこぼこで 父のホンダ250の後ろに乗ると跳ねて怖かった。 父の影響じゃないけど、私は16歳でバイクの免許を取った。 そう言えば、もう10年ちょっとオートバイには乗っていない。 長男に、「父さんはここで産まれて、5歳の時に今のおじーちゃんの家 に引っ越した」などと思い出す事をいろいろ話す。 彼は、とーさんは病院じゃなくここにあった家で産まれて、自分と 同じ歳に引っ越したと記憶する。 近くの用水路に行く。聖徳太子が造ったという伝承があるものだ。 下水道が完備されて、雑排水が流れ込まなくなり、中途半端な田舎 では昔より水はずっと綺麗になっている。だが、コンクリート張りの 水路になり藻が見当たらない。昔はコンクリートを使わない石垣で 川底は土だった。水草も沢山生えていた。 更に、取水している川に河口大堰ができて、魚は極端に減った。当時 簡単に釣れた手長エビは今や絶滅寸前らしい。 「水は昔より、きれいだけど魚はすごく減った。昔はホタルも居た。」 「どうして?」 と会話が進む。 用水路の近くで、昔お隣だったおじさんに会う。 (当時は隣のおにいさんだけど、今や建設会社の社長さんだ) おじさんは おや、見た事あるような、ないような、という表情なので 名乗る。それで、しばし談笑。 息子は「あれは、誰?」と聞いてくる。 隣のおじさんだったら良いけど、幼馴染に会うと、 お互い老けてて絶句 動揺して、「おー」とか「あー」とか言いつつ別れる。 「あれは誰?」 「とーさんの子供の時の友達」 昔の家から100mほど、子供の頃の秘密の場所、近くの丘陵全体が 公園内の雑木林の甲虫類が集まる木はどうなっているだろう?長男は、 今昆虫に興味がある。 この公園も、昔と比べると驚くほど整備された、昔は池も柵はないし もっとワイルドに遊べた。 一つ目は、木が伐採されて無くなっていた。薮蚊に注意。 二つ目は健在。私がやっていたように、近所の子供が、木に蜜を塗っ ているようだ。その子達にこの木を教えたのは、昔の仲間かもしれない。 この蜜は、甘味より香の強さが大事。バナナの熟したのを塗り付ける のも良し。食い意地の張ったカナブンが多数集まっている、昼間なので カブト、クワガタはいない。おっと、スズメバチも来ているので注意! 家に帰ったら、庭の木に甲虫呼ぶ秘密の蜜を塗って、虫を呼んでみよう、 と盛り上がる。実家より自宅の方が自然は豊富だ。 公園の端っこの墓地に家の墓がある、近くまで来たことだし、墓を洗っ てお参りして行こう。母(長男にはおばあちゃん)と、私の弟(長男 にはおじさん)が眠っている。 長男は洗うというより、柄杓で水をかけるのが面白くひたすら水遊び 状態である。 長男は、昨年春に亡くなったあばあちゃんは会った事があるし、去年の 春のお葬式のことも良く憶えているけれど、おじさんは知らない。 弟は18で亡くなってもう17年経つ。 この公園の丘陵最高部標高60mほどにある展望台からは、加古川市が 一望できる。中学高校の時、ここに望遠鏡を据えて良く星を観た。職質 も良く受けた。学校を早退して部分日食も観た。 何か事件があったらしく今は立ち入れない様になっている。そう言えば、 小学生が転落死したという話を聞いた様な気がする。立ち入りできても、 夜中にここで望遠鏡を覗く度胸のある子供はいないだろう。 ここには今は亡き母(おばーちゃんに)に車で望遠鏡を運んでもらった。 公園の整備が進んで今はここまで車は入れない。長男の知るおばーちゃんは、 病院で寝ている老人なので、車を運転できたことが不思議。 今はしないけど、おじーちゃんも運転免許持っているぞ。 この子は、去年から自宅で私と時々星を観る。月も、火星も土星も木星 も金星も観た。アンドロメダ大星雲も観たけど、多分分かってない。 いろんな場所で、自分が昔何をしたか、どんなこと思っていたか。 そこについての事を話す。子供は興味を持ってしっかり聞いている。 こういう昔の日常は、実際のその時々にはどうということのない風景 だった。それが写真に保存されていて、今見ることができれば大層面白い 様に思う。 今は、デジカメのお陰で、費用を安く画像を沢山保存しておくことが できるようになった。これから、ごく日常の風景を撮影したり、定点観測 的に記録したりしてみようかと思う。 もちろん面白さや、価値が出てくるのは、かなり遠い将来だろう。 写真に時間が集積しないとだめだ。

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