トレイルランニング
先日、六甲山で現在トレイルランニングの日本人第一人者と言われている石川弘樹さんのイベントがありました。
Trail Running magazine タカタッタ 読者の集い
石川弘樹 With 関西トレイルランニングナビゲーター 三浦誠司、北野拓也
「Be dirty」トレイルランニング キャンプin関西
「トレイルランニング」最近はそう呼ぶわけですが、むかーし私がまだ山屋だったころは、「ランニング登山」「山岳マラソン」と呼んでいて、
その競技会は「山岳耐久レース」とか「山岳タイムトライアル」とか呼んでいた記憶があります。
山で走るというのは、1960年代生まれの僕らに取ってはトレーニングという意識でした。高校山岳部の頃は、播磨平野の主峰というか別名「播磨富士」(どこでもよくある呼称なのがなんですが)の高御位山(304m)にトレーニングで時々走って登りました。僕らの同期の最速は7分30秒ってとこでした。私は彼より2分遅い。彼は、1500m走で陸上部にタイムで勝つ奴でした。ちなみに20キロ背負って全速で同じコースを登ると、大体40分位でした。もちろん頂上ではヘロヘロになります。いつも大型のポリタンクに水を入れて担いであがってました。真夏だと頂上で水を被ってリフレッシュですが、大抵下りも担いで降りて下りトレーニングでありました。
私の記憶で「山岳マラソン」が明瞭に意識されるのは、1993年です。
当時私は、激務サラリーマンを辞めて、無職でアウトドアスポーツ漬けの日々を送ってました。冬は志賀高原に籠もってスキーしてましたし、ヨットレースも再開していたし、カヤック(リバー)も始めました。
そんな時、「六甲全山縦走タイムトライアル」の話を聞きました。記録によると1993年3月28日 天気は小雨 の中行われてます。560名ほどの参加。
「六甲全山縦走」は、兵庫、大阪の山関係で知らぬ人はいない言葉でありますが、これにタイムトライアルがくっつくのはなかなか印象的でした。実は、僕たちも高校の頃に密かに「全縦」をどれくらいで行けるかトライしたことがありました。僕らの仲間の最速男で7時間半。私はそれに1時間遅れでした。「六甲全山縦走タイムトライアル」の最速はちょっと正確に記憶していないのですが、6時間位だったのではないかと思います。(訂正 4時間15分らしいです。)距離は約56キロです。
実は、「全縦」はルートファインディングが難しいんです。山中だけでなく一部通過する住宅街が厄介なんです。
それと、自分の完走時間を見極めて、それに応じた装備計画を立てる必要があります。大体登りは早歩き、平地と下りは走ります。
93年には、もっとも有名なレースの第1回が開かれてます。「第1回日本山岳耐久レース」。つまり「長谷川恒男カップ」です。奥多摩の1000m級を一周する縦走路距離は約71キロ。当時のトップクラスのタイムが14時間前後だったと記憶してます。普通に歩けば2泊3日だと思います。
当時の雑誌記事についての私の記憶では、第1回は、タイムトライアルと考える人と24時間級の歩き大会と考える人に分かれていたようです。大半の人は長丁場を覚悟して、最初からマイペースで歩いていたようです。一部今のトレイルランナーと同じスタイルの参加者が居て、上位はそのベテランが占めたと記憶しています。山系の参加者は、山装備で参加しており、ランニングシューズで山を走るなんてという論議が後にあった様にも記憶してます。
この当時の山岳マラソン界の有名人は、下嶋 浩氏でありました。雑誌に載っている氏の写真を見たことがありますが、石川さんとは違って、見た目はその辺にいるジョギング好きの真面目でおとなしいお父さんという感じですが、実は東工大の教授でもありました。氏は1999年8月にマッターホルンで転落死されたのですが、ご存命であれば、トレイルランニング界も少し違ったものになっていたかもしれませんね。
なお、氏には 「ランニング登山」 下嶋 渓 著 という名著がありますが、現在廃盤で新しく買うことができません。古本屋を探すしかありません。
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コメント
始めまして。昨日「アイガー北壁」を見てきて、トニー・クルツの悲劇で検索中に此方の過去記事にたどり着きました。分かりやすく書かれていて興味深かったです。
終わった後は重い気分になったので、登りに行く前などに見るのは避けた方が良さそうな映画ですが、機会あればまた見直してみたくなりました。遭難・漂流物の作品は、割と好んで読みますが、生還者の手によるものが多いという点で、異なる印象があるのかも知れません。
雪彦山がホームコースで、六甲全縦やトレイルランニングが山岳マラソンだった頃からぼちぼちやっている者なので、興味深い話題が色々でした。
投稿: えびのしっぽ | 2010/03/25 22:12
>えびのしっぽさん こんにちわ。
大阪兵庫の山系の人にとって六甲山は修行&FUNの場として馴染み深い場所であります。雪彦も関西クラシックというべき場所ですね。雪彦には、私の母校(高校)の名前のついたテラスがあります。今の人は知らないかもしれません。もう少しすると山ビルが登場するので難儀になりますね。
古い話には面白いものもあるので、思い出したらボツボツ書いてみようと思っています。大抵くだらないものなんですけど。
BLOG拝見しました。熱心に活動されてますね。スゴイですね!。キナバルは、私が浪人している間に高校山岳部の同期が登りに行った所として、悔しく記憶してます(^_^;)。
水害大変でしたね。私は、西はりま天文台で夏休みに臨時の天文観測指導員というのをここ3年やってますので、なじみのあるエリアであの日ニュースを見て大変驚きました。
どこかでお目にかかることがありましたらよろしく!
投稿: 管理人 | 2010/04/02 13:38